2026.09.22 お知らせ
鍼はなんで効くの??

疼痛緩和の根拠
1. エンドルフィンとエンケファリンの分泌促進
鍼通電によって鍼に微弱な電流を流すことで、神経系に対する持続的な刺激が可能となります。これにより、内因性オピオイドであるエンドルフィンやエンケファリンの分泌が促進されます。これらの物質は、鎮痛作用を持つことが知られており、疼痛の感受性を低下させる効果があります。具体的には、エンドルフィンやエンケファリンが脊髄や脳内で痛み信号の伝達を抑制し、疼痛緩和に寄与します。
2. ゲートコントロール理論
鍼通電は、ゲートコントロール理論に基づく疼痛緩和効果も示します。ゲートコントロール理論とは、痛みの信号が脊髄の後角で「ゲート」を通過する際に、他の神経刺激がそのゲートを閉じることで痛みの伝達が抑制されるという理論です。鍼通電による持続的な電気刺激は、このゲートを閉じる作用を持ち、結果として痛みの信号が脳に伝わるのを防ぎます。
3. 血流改善と局所の炎症抑制
鍼通電は、局所の血流を改善し、酸素や栄養素の供給を増加させることで、組織の修復を促進します。これにより、炎症が抑制され、炎症による痛みが軽減されます。さらに、電気刺激が直接的に神経を興奮させることで、鎮痛効果が得られると考えられています。
神経再生の根拠
1. 神経成長因子の分泌促進
鍼通電は、神経成長因子(NGF)や脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌を促進することが研究で示されています。これらの因子は、神経の成長と再生を促進する役割を果たします。特に、損傷した神経の修復を助け、新しい神経繊維の形成をサポートすることで、神経機能の回復を促します。
2. 電気刺激による細胞の活性化
鍼通電は、細胞膜の電位を変化させることで、細胞の活性化を促します。これにより、神経細胞の代謝活動が増加し、損傷した神経の修復が加速されます。特に、軸索の再生やシナプスの形成が促進されることで、神経回路の再構築が進みます。
3. 炎症抑制とミエリン再生
電気鍼は、炎症を抑制することで神経の回復をサポートします。炎症が抑制されることで、神経細胞がダメージを受けにくくなり、回復が早まります。また、ミエリンという神経を覆う鞘の再生を促進することで、神経信号の伝達速度が改善され、機能回復が期待できます。
実際の研究例
疼痛緩和に関する研究
- 2013年のランダム化比較試験: 腰椎椎間板ヘルニア患者に対する鍼通電治療の効果を評価した研究では、疼痛が有意に軽減されたことが報告されています。特に、電気鍼を使用したグループは通常の鍼治療グループよりも痛みの軽減が顕著でした。
神経再生に関する研究
- 2019年の実験的研究: ラットモデルを用いた研究で、鍼通電が神経成長因子の発現を増加させ、損傷した坐骨神経の再生を促進することが確認されました。電気鍼治療を受けたラットは、対照群に比べて神経の再生が早く、機能回復も顕著でした。
まとめ
鍼通電(電気鍼)は、疼痛緩和と神経再生に対して非常に効果的な治療法です。エンドルフィンやエンケファリンの分泌促進、ゲートコントロール理論に基づく痛みの信号抑制、血流改善と炎症抑制によって疼痛を緩和します。また、神経成長因子の分泌促進や電気刺激による細胞活性化、炎症抑制とミエリン再生によって神経の再生をサポートします。これらのメカニズムは、臨床研究や実験的研究によって裏付けられており、鍼通電が神経症状を持つ患者にとって有効な治療法であることを示しています。


