2026.11.04 ランニング
ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは?膝の外側の痛みの原因とセルフケア|柏駅徒歩4分 FLAT柏

「膝の外側が痛くて、走っている途中で止まってしまう」「休むと楽になるのに、走り出すとまた同じ場所が痛む」——こうしたご相談は、一年を通して定期的にいただいています。
このような痛みの原因のひとつが、一般に「ランナー膝」と呼ばれる腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)です。痛むのは膝でも、負担が増える背景には、お尻まわりの筋力や走り方、練習量の増やし方など、膝から離れた部分が関わっていることがあります。
この記事では、大学の陸上競技部でトレーナーを務めた院長が、特徴、ほかの膝の痛みとの違い、受診の目安、セルフケア、走り始めの考え方を解説します。手賀沼や柏の葉公園、皇居ランなどで走っている方も、ぜひ参考にしてください。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは
腸脛靭帯は、骨盤の外側から太ももの外側を通り、膝の外側の少し下までつながっている、帯のような組織です。ランニングで膝の曲げ伸ばしを繰り返すうちに、この靭帯と太ももの骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)のあたりに負担が集中し、痛みが出るのが腸脛靭帯炎です。
以前は靭帯と骨の「摩擦」が主な原因とされてきましたが、近年は周囲の組織への「圧迫」を重視する考え方も示されています。

ランナー膝によくある痛み方
次のような特徴が重なる場合は、腸脛靭帯への負担が関わっているかもしれません。
- 膝の外側、骨の出っ張りのあたりを押すと痛い
- 走り始めは平気でも、一定の距離を走ると痛くなる
- 休むと楽になるが、走り出すとまた同じ場所が痛む
- 下り坂や階段を下りるときに痛みが出やすい
- 走行距離を増やした時期や、シューズを替えた時期から痛み始めた
ただし、これらは目安です。診断ができるのは医師のみで、当院の施術では診断は行いません。
痛む場所で考える、ほかの膝の痛みとの違い
ランナーの膝の痛みは、ひとくくりに「ランナー膝」と呼ばれることもありますが、痛む場所によって関わる組織が違います。海外では、お皿まわりの痛みを「ランナー膝」と呼ぶこともあります。
| 痛む場所 | 考えられるもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 膝の外側 | 腸脛靭帯炎 | 走る距離が延びると痛む。下り坂で出やすい |
| 膝の内側の下 | 鵞足炎(がそくえん) | 走行中や走った後、階段の上り下りなどで痛む |
| お皿のまわり・奥 | 膝蓋大腿疼痛症候群 | 階段、下り坂、長く座った後の立ち上がりで痛む |
| お皿のすぐ下 | 膝蓋腱の障害 | ジャンプやスピード練習の後に痛みが出やすい |
同じ外側の痛みでも、半月板や靭帯の損傷が原因のこともあります。自己判断だけで決めつけないことが大切です。
整形外科の受診をおすすめするケース
次のような場合は、走るのを控えて、先に整形外科を受診してください。
- 転倒やひねった後から痛い、音がしてから痛くなった
- 膝が大きく腫れている、熱をもっている
- 膝が引っかかって動かない、ガクッと力が抜ける
- 痛みで体重をかけられない、歩くのもつらい
- じっとしていても痛い、夜間に痛みで目が覚める
- 発熱をともなう、痛みが日に日に強くなる
痛みが出る背景は、走行距離だけではありません
「走りすぎ」はきっかけのひとつですが、同じ距離でも痛む人と痛まない人がいます。股関節や膝の動き、お尻の筋力との関連が報告されている一方、決め手となる要因はまだ分かっていません。そのため、当院では次のような点を一人ひとり確認しています。
- お尻まわりの筋力:骨盤を支える中殿筋の働きが足りないと、着地のたびに骨盤が左右に揺れやすくなります。
- 脚の振り出し:からだより前で着地すると、膝の曲げ伸ばしが大きくなりやすくなります。
- 姿勢:骨盤の後傾、O脚やがに股の傾向があると、脚の外側が張りやすくなります。
- 走る環境:下り坂や傾いた路面が多いコース、すり減ったシューズも負担を増やす要因です。
- 練習の増やし方:痛みが引いた直後に元の距離やペースへ戻すと、再び痛みやすくなります。




自宅でできるセルフケア
痛みの出方によって、やることが変わります。途中で痛みが強くなるものは中止してください。
痛みが強い時期
無理に伸ばしたり強く揉んだりせず、まずは痛みが出るランニングを休みましょう。熱っぽさがあるときは、タオルで包んだ保冷剤で10〜15分ほど冷やします。
痛みが落ち着いてきたら:ストレッチ
呼吸を止めず、20〜30秒を目安に行います。
- 太ももの外側:横向きに寝て、伸ばしたい側の脚を後ろに引き、腰から太ももの外側をゆっくり伸ばします。
- お尻:床に座って後ろに手をつき、伸ばしたい側の足首を反対の膝の上あたりに乗せて、ゆっくり膝を立てていきます。
- お尻(椅子で行う場合):椅子に座り、伸ばしたい側の足首を反対の膝に乗せて、背すじを伸ばしたままからだを前に倒します。

痛みが落ち着いてきたら:お尻のトレーニング
横向きに寝て、下の膝を軽く曲げ、上の脚を伸ばしたまま少し後ろ寄りにゆっくり持ち上げます。10回×2セットを目安に、腰を反らさず、お尻の横に力が入るのを意識してください。研究のまとめでも、股関節を外に開く筋肉の強化を含むケアは、痛みや機能の面で有用と報告されています。
走り始めるときの考え方
復帰の時期は、痛みの強さや経過によって変わります。ひとつの目安は、歩く・階段を下りる・片脚で軽くしゃがむといった動きで痛みが出なくなっていることです。
- 最初は平坦な道で、普段より短い距離とゆっくりしたペースから始める
- 痛みが出始めたら、そこで走るのをやめて歩く
- 翌日に痛みが強くならなければ、少しずつ距離を延ばす
- 下り坂やスピード練習は、最後に戻す
痛みをかばって走ると、ほかの部位に負担が移ることもあります。
FLAT柏でのケアの内容
当院は完全予約制・完全個室で、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の資格をもつ院長が担当します。院長は陸上競技部のトレーナーとして箱根駅伝に帯同したのち、整形外科や整骨院での勤務を経て開院しました。
まず、痛みが出た時期、練習内容、シューズ、大会の予定を伺い、動きや走り方の癖を確認します。そのうえで、深い筋肉の緊張をゆるめることを目的に「鍼通電」とマッサージを組み合わせ、ストレッチや練習の戻し方もお伝えします。
施術の感じ方や経過には個人差があり、すべての方に同じ結果を約束するものではありません。
費用の目安(税込)
- ボディメンテナンス60分:¥8,800
- 初回は別途 ¥2,200(学生の方は¥1,100)
- 学生料金や他のコース、LINE登録の初回料金は、メニューページをご覧ください。
起こることがあるリスク
鍼では、刺すときのチクッとした痛み、響くような感覚、ごくまれに内出血が起こることがあります。内出血は多くの場合、1〜2週間ほどで自然に薄くなります。施術後に一時的なだるさを感じる方もいます。血液をサラサラにする薬を飲んでいる方、ペースメーカーをお使いの方、妊娠中の方は、事前にお知らせください。
よくある質問
Q. 整形外科と鍼灸院、どちらに行けばいいですか?
A. 原因がはっきりしない痛み、けがをした覚えがある痛みは、まず整形外科で検査を受けてください。診断を受けたうえで、からだのケアや走り方のご相談として当院をご利用いただく方法もあります。
Q. 大会前でも施術を受けられますか?
A. はい。大会に向けて継続して見ていくには、1か月ほど前からのご来院をおすすめしています。施術後にだるさが出る方もいるため、初めての方は遅くとも大会の1週間前までにご相談ください。
まとめ
ランナー膝は、痛む場所だけでなく、お尻の筋力、走り方、練習の増やし方まで見直すことが大切です。腫れや引っかかりがあれば、まず整形外科へ。その後のケアや走り方の見直しは、当院にもご相談ください。
鍼灸マッサージ院FLAT柏(柏駅から徒歩4分・完全予約制)
営業時間:9:00〜21:30(不定休)/お電話:070-3247-7011
参考文献
- Aderem J, Louw QA. Biomechanical risk factors associated with iliotibial band syndrome in runners: a systematic review. BMC Musculoskeletal Disorders. 2015. https://doi.org/10.1186/s12891-015-0808-7
- Sanchez-Alvarado JA, et al. Effects of conservative treatment strategies for iliotibial band syndrome on pain and function in runners: a systematic review. Frontiers in Sports and Active Living. 2024. https://doi.org/10.3389/fspor.2024.1386456


