2020.06.04 ブログ・熱中症
熱中症に気をつけて!予防策はこちらをチェック!
6月になりだんだんと気温が高い日が増えてきました!近年の夏は連日真夏日・猛暑日が騒がれ、いつ熱中症にかかってもおかしくはない状況になってきています。
加えてコロナウィルスの影響によりマスクの着用を強いられることでより身体に熱がこもり熱中症を引き起こしやすくなってきています。
熱中症は2010年を境に急速に増えてきており、毎年50000人近くの方が熱中症により緊急搬送されています。特に2018年は95137人と過去最高の人数を記録しました。(5月から9月の集計値)
※追記:2019年は71317人
人間は恒温動物なので熱い環境や、運動で身体に熱がたまっても、発汗や、皮膚の血流を増やすことで熱を外に逃がす機能が働きます。
しかし、あまりに熱すぎる環境や、運動の強度が強くなると体温調節の機能が追い付かなくなり熱中症を発症します。
熱中症は軽度のものでは、軽いめまい、足の痙攣、吐き気などの症状がありますが、進行すると強い倦怠感や頭痛、嘔吐などからさらにひどくなると意識障害を起こし死に至ることもある危険な病気です。
ここでは熱中症の予防において大事なポイントを3つあげています。
熱中症を発症しないように上手に予防をしてうまく夏を乗り切りましょう。
熱中症予防① 暑熱順化でいい汗をかこう
暑熱順化という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
暑熱順化とはいわゆる『暑さ慣れ』のことを言います。あらかじめ暑さに身体を慣らしておくことで暑さに順応した体をつくり熱中症を予防します。
暑熱順化をおこすためには『やや熱い環境で、ややきつい運動』をするといいということが言われています。
ランニングやウォーキングを1日30分程度行ったり、入浴をすることで汗をしっかりかくと徐々に暑熱順化がおこり暑さに耐えられる身体になってっきます。
暑熱順化を獲得するまでにだいたい1~2週間程度かかるので夏が本格化する前に準備を始めていくことをおススメします。
・そうは言っても今からでも間に合うの?? とか
・暑さ慣れって言っても暑いもんは暑いんじゃ!!!
なんて声が飛んできそうですが、大切なことは体温調節機能を早めに働かせることにあります。早いに越したことはないですが毎日の暑さを乗り切るために必要な行動なのであります。
暑熱順化により具体的にどんなことがおこるかというと……
①自律神経系の変化
・通常 ⇒ 体温が38度を超えたら熱を下げるように働こう
・暑熱順化後 ⇒ 37度超える前に働かないとまずい!
という風に体が変化して、少しの体温上昇で熱を下げるスイッチが入り始めます。こうすることで熱が上がりすぎる前に体温調節ができるので熱中症になりにくくなります。
②汗の成分の変化
暑熱順化を行うと汗の成分が変化します。
汗は血液の液体成分である血漿から作られていています。この血漿にはナトリウム(いわゆる塩分)などが含まれています。そしてナトリウムが体から大量に出てしまうと様々な機能が働かなくなり熱中症を発症します。
通常、汗が外に出る前にナトリウムなどは再吸収されますが、再吸収しきれなかったものが汗として排出されます。
なので汗は舐めるとしょっぱく、べたべたとした感じがあるのです。
しかし、暑熱順化を行うと汗腺の機能が活発になり、ナトリウムの再吸収が促され汗の成分として外にナトリウムが出にくい身体になります。
そうすると水分だけを外に排出できるので効率よく身体に負荷をかけずに体温をさげることができます。
つまりは『いい汗』をかけるようになってくるのです!
花王HPより
スポーツ選手の汗ってなんかさわやかでかっこよくないですか???単純にスポーツに打ち込んでいるからこそかっこよく見えるというのもありますが、普段から汗をかいているおかげで汗腺の機能が発達しているので、かいてる汗自体が塩分が少ないさわやかなさらさらした汗になっているのではないかと推測しています。
いい汗の特徴は
・さらさらしている
・無味無臭
・乾きやすい
・汗をかくとすっきりする
逆に普段から汗がべたついていやだ!とか、汗臭さを感じやすい!という方は汗腺の機能が落ちている可能性があります。
悪い汗の特徴は
・べたべたしている
・臭い
・しょっぱい
・汗をかくとだるくなる
等です。汗の中にナトリウムが多くなり、皮膚の脂やよごれなどに雑菌んが繁殖しやすくなり上のような特徴の汗になります。
花王HPより
いい汗をかけるようになると体温調節もうまくいき熱中症対策ができるだけでなく、においまで気にならなくなるといういいことずくめになります。
暑熱順化を行い熱中症になりにくい身体を作りましょう♪
熱中症予防②水分補給
人は一日に尿や、汗などから約2.5Ⅼもの水分が失われています。食事などから摂取できるのが1.3Ⅼほどなので残りの1.2Ⅼを水分補給として摂取する必要があります。夏場は発汗がさらに多くなるので普段より多くの水分摂取が必要になります。
水分の排出と摂取
①水分が失われると…
身体から水分が失われていくと様々な症状を引き起こします。特に身体の水分の2%が失われたあたりから熱中症としての症状が始まるので、2%の水分が失われる前に水分補給をしっかりすることが大切です。
水分喪失と身体の症状
ここで注目していただきたいのは
『のどの渇きを感じるのは水分が1%失われた時』
というところです。よく、「のどが渇く前に水分補給!」ということが言われていますがこれが根拠となっています。
例えば体重60kgの方であれば体重に対しての水分量は約60%であるので………
・60㎏×0.6 = 36L ⇒ 身体の水分量
・この1%は…… 360ml、失われると ⇒ のどが渇き始めます
・そして2%は… 720ml、失われると ⇒ 熱中症の症状発生
のどが渇き始めてから熱中症の症状が発生するまでにさらに360mlの汗をかいたらもうアウトということです。
さらに言うと、小腸で水分が吸収されるのは 1時間で800mlくらいであり、胃から小腸に送られるまでにも時間がかかります。
夏場は黙ってても汗をかいていますし、運動をしているときには1時間当たり1Lほどの汗をかくので水分の吸収より発汗の方が上回りあっという間に熱中症の出来上がりですΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
なのでのどが渇く前に水分を取りましょうと言っているわけですね。
ここだけをみてもいかに早く水分補給をするのが大切かお分かりいただけたのではないでしょうか。
②摂取するべき飲料
汗にはナトリウムなどの成分が入っていることは暑熱順化の方でもお伝えしました。
汗でナトリウムが出ていくということは当然水分をとるときにもナトリウムを撮らないといけません。また水分の吸収を早めたり、運動をしているときに使われているエネルギーも補給するという意味で糖分を入ったものを摂取するのが大切です。
具体的には…
・糖質 4~8%
・塩分 0.1~0.2%(ナトリウム相当量40mg~80mg/100ml)
の水分を取りましょう。
市販のスポーツドリンクはこのあたりの濃度を意識したつくりになっています。
③ハイポトニック飲料、アイソトニック飲料とは?
スポーツドリンクのなかにも大きく分けると2種類あります。
1、アイソトニック飲料とは、普段の体液と同じ浸透圧の飲み物。
2、ハイポトニック飲料とは、運動時など汗をかいて少し身体から水分が失われた時と同じ浸透圧の飲み物
アイソトニック飲料はエネルギー補給も一緒にできるので運動時間が長いときなどに適しています。
糖分が多いので甘い感じがするのが特徴です。
ハイポトニック飲料は糖分が少なめなのでダイエットなどで運動をする場合にはお勧めです。
糖分控えめなのですっきりとした味わいです。あまいのが苦手な方はこちらの方が飲みやすいです。
また、ハイポトニック飲料の中に経口補水液というものがあります。こちらはより塩分量が多くなっており、本格的に熱中症や、脱水症状になった時に使いたいものです。熱中症以外にも、胃腸炎などで下痢や嘔吐したときなども脱水症状になりやすいので、そういったときは経口補水液がおすすめです。
味ははっきり言っておいしくないです。(;´Д`)
そりゃあ相当量の塩分がある程度しっかり入ってるので当然かもしれませんが…
しかし、経口補水液は脱水症状になっているときにはとてもおいしく感じます。それだけ脱水になるとミネラルが失われて身体が欲しているのだと思います。ある意味経口補水液がおいしく感じるかどうかは自分が脱水状態にあるのかの指標とも言えます。
おおまかな違いを表に表します。
代表的なスポーツドリンクはこちらのようになっております
・アイソトニック飲料の例
グリーンダカラはほかの商品よりも、マグネシウムやカリウムなどが多く含まれており、ビタミンウォーターは読んで字のごとくビタミンが豊富に含まれます。
・ハイポトニック飲料の例
OS-1は代表的な経口補水液です。
図を見ると圧倒的にOS-1のナトリウムが多いことがわかりますね。
水分補給を適切に行って熱中症を予防しましょう。
熱中症予防③ WBGT
WBGTとは暑さが身体にもたらすストレスを示した値で、熱中症を未然に防ぐことを主目的とした指標です。
(湿球黒球温度:WBGT=Wet Bulb Globe Temperature)
気温だけではなく、湿度、輻射熱、気流のすべての要素を総合的に取り入れ数値化したものであり、熱中症の危険度をより正確に表しています。単位は気温と同じで摂氏(℃)であらわされていて値が高いほど熱中症の危険度が高まります。
連日天気予報では最高気温、最低気温が報道されていますが湿度については報道されることが少ないです。
実は湿度こそ熱中症の発症には大きな影響を与えています。
実際にある日の東京の気温、湿度、熱中症の搬送者の数を比較すると
A日(WBGT28.6°)… 最高気温34.8° 最小湿度42% 熱中症搬送数56人
B日(WBGT30.2°)… 最高気温33.2° 最小湿度54% 熱中症搬送数100人
となっており気温が高かったA日よりもB日の方が熱中症になりやすいということがわかります。
①熱中症の目安の数値は?
WBGTが28℃を超えると急激に熱中症の発生率が高まります。そのため熱中症の予防指針では28℃以上を厳重警戒、31℃以上を危険水準として外出の制限などを示しています。
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」より
運動時も同じように28℃以上を厳重警戒レベルとしています。
②WBGTを知ろう
WBGTの値を知るためには現場で計測器を使って図ることがことができれば一番正確です。
しかしこのような計測器を用意できない場合は環境省のホームページにリアルタイムでWBGTの値を示してるページがあるのでこちらを参考にしてください。
こんな感じで時間ごとの数値が出ますので、外出時や運動をする方はどの程度の練習をどの時間にやるかなどの判断材料になると思います。
環境省熱中症予防サイト ⇒ https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php
~まとめ~
熱中症はなる前に食い止める!!!
これが一番大切です。現在の日本はいつどこで熱中症がおこってもおかしくありません。正しく熱中症を予防して楽しい夏を過ごしてください。