2020.01.20 ランニング
ランナー必見!ハムストリングのトレーニング
■マラソンに最も必要なハムストリングを鍛えよう!
以前の投稿でマラソン選手にも筋トレが必要なことと、その中でもハムストリングの筋力が特に大事!ということを書きました。
覚えていない方、この記事を初めて見た方はこちらも合わせて読んでくださいね。
記事の中ではハムストリングにしか触れていませんが、実はもう一個大切な筋肉が…
それは、お尻の筋肉です!!!
大殿筋という名前の筋肉があるのですがこの筋肉もハムストリングと並んで非常に大切です。
というより、ハムストリングから、大殿筋までは一括りって考え方で問題ないです。
前の投稿であげた研究データではお尻の筋肉の数値が入ってないのでハムストリングのことについてしか書けなかったのですが、よくよく考えたら速い人のフォームを実現するためにはハムストリングだけではなく大殿筋も絶対に必要だと思うんですよね。その理由は後ほど…
さんざんハムストリング!といってきましたがハムストリングだけではなく大殿筋も合わせて、機能を考えつつ、どんなトレーニングが効果的なのかを見ていきましょう。
~ハムストリングと大殿筋の機能は?~
まずはこれらの筋肉が体を動かす上で何をしているのかを考えましょう。
①ハムストリング
機能;膝の屈曲、股関節の伸展 (膝を曲げる動きと、股関節を後ろにあげる動き)
②大殿筋
機能:股関節の伸展、外転、内転、外旋(股関節を後ろにあげる動き、内側外側にあげる、外に開く。
2つに共通しているのが股関節を後ろにあげる『伸展』という動きです、
走っているときで考えると地面を後ろに蹴って前に進むために必要な動作です。
左:悪いフォーム 右:いいフォーム
二つのフォームを見比べてみると、いいフォームのほうが股関節が後ろに伸びているのがわかると思います。
この時に使っているのが股関節を伸ばす働きのあるハムストリングと大殿筋なわけですね。
さらに見ていくと…
左:悪いフォーム 右:いいフォーム
接地の時にいいフォームでは股関節をひきつけることで身体の中心線のほぼ真下で接地できているのに対し、悪いフォームは股関節がひきつけられていないために前で接地していますね…
前での接地はブレーキとなり、真下付近での接地はアクセルとしての機能を持っています。
このアクセルの役割を果たすのが大殿筋とハムストリングです。
だからこそこの二つの筋肉を鍛えて効率よく走ることがマラソンにおいて重要なのです!
~トレーニング紹介~
細かいことをいろいろ言ってきましたがようやく本題でトレーニングの方法について教えていきますね。
実際にどんなトレーニングが効果的なのか動画とともに紹介していきます。
①ヒップリフト
寝たままできるので比較的どこでもできる簡単なトレーニングです。
【やり方】
仰向けに寝て膝を90度にたててお尻を真上に持ち上げます。お尻を持ち上げることで股関節の伸展の動作になり、お尻とハムストリングを同時に鍛えられます。
【注意点】
お尻を挙げたときに腰が沿ったり丸まったりしないよう、膝から、肩までが一直線になるように気を付けてやりましょう。
①-1
最初は足をフラットに全部ついた状態から。
ここから負荷をあげていく方法を説明していきます…
①-2
つま先をあげて、かかとで体を保持しながらおこなうヒップリフト。
①-3
次は踵をあげてつま先だけで行うヒップリフト。
こちらは、足の裏の筋肉も同時に使うことができるので、偏平足の方や、シンスプリント、足底筋膜炎などの痛みがある方に行ってほしいです。
*慣れない動きでけっこう足がつりそうになるので注意してください!
①-4
さいごは片足でのヒップリフト。左右均等にバランスをとって行えるようにしましょう。
②オールフォー・ヒップエクステンション
【やり方】
四つん這いの姿勢から脚を後ろに蹴り上げるように膝を伸ばしていきます。
身体の高さと同じところまで上げていきましょう。
【注意点】
ヒップリフトと同じく足を挙げる時に腰が沿ったり、丸まったりしないように頭から、足先までが一直線になるように心がけましょう。また、足が斜めに上がったり、ひねりながら上がる場合があるのでできれば誰かに手伝ってもらい動きを見てもらうとより良いトレーニングになります。
③スクワット
キングオブトレーニング!
ともいわれるスクワット。すべてのトレーニングの基礎となるものといっても過言ではありません。しかしこのスクワットは正しい動きができている人が少ないです。スクワットをここで紹介しているということはこのトレーニングも大殿筋とハムストリングをトレーニングしないといけません。
正しい動きを身に着けてランニングに必要な大殿筋とハムストリングをしっかりトレーニングしましょう。
【やり方】
腕を前に組んでゆっくりとしゃがんでいきます。しゃがむときにお腹とももの前側が付くようにするとより効果的です。
【注意点】
・しゃがむときに膝がつま先よりも前に行かないように注意してください。ここがまず一番大事です。
・そして、腰をそらず、丸めず、頭からお尻までが一直線のままお尻を下げていきます。
・さらに膝やつま先が前から見たときに内側、外側に開かないようにも注意しましょう。
鏡の前で行ったり、動画で動きを確認しながら行うといい動きが身に付きやすいです。
④ランジ
少しずつ走る動きに近づけていきましょう。脚を一歩前に踏み込んだ状態で体をさらに沈めていきます。
【注意点】
スクワットと同様に膝の位置に気を付けてください。膝が前に出すぎないよう、つま先の位置と同じくらいのところで行いましょう。
膝、つま先の方向にも注意し、外側、内側に行かないようにまっすぐ行ってください。
④台上片足スクワット
私が最もよく指導しているスクワットです。
一番ランニング動作に近く必要な筋力を鍛えられると思っていますのでぜひやり方をマスターしてください。
【やり方】
台の上に乗ったら片足で立ちます。 あげたほうの脚を後ろに引くことで腰を落としていきます。深く腰を落としていくとお尻がビーンと突っ張る感じがしてくると思うのでそこまでおろしていきましょう。そこから元の位置に戻っていきます。ハムストリングと大殿筋がしっかりとつかえているか確認しながら試してみてください。
【注意点】
ハムストリングと大殿筋をトレーニングするためには膝の位置が重要です。スクワットなどと同じく膝を前に出さず、足を後ろに引いていくイメージを持つといいと思います。膝の位置がほとんど変わらずに行うのが理想的です。
~まとめ~
ハムストリング、大殿筋の重要性とトレーニングについて紹介していきました。
ここで紹介したトレーニングのポイントは
×膝の屈伸動作
↓
〇股関節の屈伸動作
というところです。すべてのトレーニングにおいて、膝を曲げ伸ばしするという動きではなく、股関節を曲げたり伸ばしたりしているというのを常に頭に入れておいてもらいたいです。
そうすることで腰高でかっこいいランニングフォームになり、より気持ちよくランニングができると思います。
正しいトレーニングを身に着けることで怪我のリスクを減らすこともできるのでぜひ取り組んでみてください。
ちなみにここで紹介したトレーニングを行うことで、女性にはうれしい美脚、ヒップアップ、の効果も見込めます。ランニングをしていない方にもおすすめのトレーニングです♪
トレーニング、ランニングでのお悩みはぜひ当院へご相談ください。
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